9〜10歳頃の子どもの発達
幼児期、小学校低学年と成長してきた子どもたち。 9〜10歳頃になると、心や考え方に大きな変化が見られるようになります。
教育の世界では、この時期を「10歳の壁」と呼ぶことがあります。
「壁」と聞くと、何か問題が起こる時期のように感じるかもしれません。
でも私は、35年以上子どもたちと向き合ってきて、この時期を「大きく成長するための節目」だと感じています。
もちろん個人差はありますが、この頃の子どもたちは心も体も大きく成長していきます。
その一方で、心が揺れ動きやすくなる時期でもあります。
急に変わったように感じることも
今まで楽しそうに取り組んでいたことに急に消極的になったり、思うように練習が進まなかったり。
保護者の方からも、 「最近やる気がなくなったようです。」というお話を伺うことがあります。
でも、その姿だけを見て心配しすぎる必要はありません。
実は、この時期は大きく成長する前の助走のような時間でもあるからです。
急成長する子どもたち
レッスンをしていると、この頃のお子さんは急に演奏が変わることがあります。
今まで積み重ねてきたことが一つにつながり、 音楽の理解や表現が一気に深まる瞬間が訪れるのです。
だから私は、この時期をとても楽しみにしています。
もちろん順調に伸び続ける子ばかりではありません。 少し立ち止まったように見える時期もあります。
でも、その時間も決して無駄ではありません。
一歩下がったように見えても、そのあと大きく前進する子どもたちを、私はたくさん見てきました。
「言われたから」では動かなくなる時期
この頃になると、子どもたちは少しずつ
「先生が言ったから」
「お父さん、お母さんが言ったから」
だけでは動かなくなってきます。
納得できること、自分で意味を感じられることに対して、真剣に取り組むようになります。それは反抗しているのではなく、自分で考える力が育ってきた証です。
そして、この頃の子どもたちは、大人が思っている以上によく見ています。 言葉だけではなく、大人の姿勢や気持ちまで敏感に感じ取るようになります。
だからこそ、この時期は子どもだけでなく、大人も一緒に成長していく時期なのかもしれません。
保護者の方へ
9〜10歳頃は、心も体も大きく成長する大切な時期です。
今までと違う様子が見られると、不安になることもあるかもしれません。 でも、それは成長の途中だからこそ見られる姿であることも少なくありません。
焦って結果だけを見るのではなく、
「今、この子は大きく成長する途中なんだ。」
そんな気持ちで見守っていただけたら嬉しく思います。
子どもたちは、それぞれ違うペースで成長していきます。 その歩みを信じて寄り添うことが、この時期には何より大切なのではないでしょうか。
次回予告
次回は、小学校高学年(11〜12歳頃)の子どもの発達についてお話しします。
自立心が芽生え、音楽との向き合い方にも変化が見られる時期です。














