楽譜は、宝の地図
宝物を探すとき、地図をちゃんと見なければ、目的地にたどり着くことはできません。
楽譜も同じだと思うのです。
楽譜には、音符や休符、さまざまな音楽用語が書かれています。
「ここは、さっきと同じ音の動きだな」 「このフレーズは、どこに向かっているんだろう?」 「ここから、音楽の雰囲気が変わるのはなぜだろう?」
そんなふうに、楽譜を丁寧に見ていくと、いろいろな発見があります。
曲がどのような仕組みでできているのかを知ったり、フレーズの流れを読み取ったり。
スタッカートだった音がスラーになっていたり、同じように見えるところに小さな変化があったり。
一つひとつの音や記号に目を向けることで、今まで気づかなかった音楽の姿が見えてくるのです。
楽譜の中にある、作曲家からのメッセージ
こうして楽譜を読み解いていくと、少しずつ見えてくるものがあります。
それは、作曲家が音楽に込めたメッセージです。
小さな変化や気づきを手がかりに、音楽の流れをたどっていく。
すると、ただ音符を追っていたときとは違う景色が見えてきます。
まるで、地図を頼りに一歩ずつ進み、宝物に近づいていくように。
もちろん、楽譜を読めば、すぐにすべてがわかるわけではありません。
でも、丁寧に読み解いていくことで、作曲家が伝えようとしていることに、少しずつ近づいていけるのだと思います。
楽譜は、音を並べたものではなく、作曲家からのメッセージが込められた宝の地図。
私は、そんなふうに楽譜を読むことを大切にしています。
導入期から育む、自分で気づく力
私は、こうした楽譜の読み解きを、難しい曲が弾けるようになってから始めるものだとは考えていません。
ピアノを始めたばかりの導入期から、レッスンの中に取り入れています。
もちろん、最初から難しい分析をするわけではありません。
「ここ、さっきと同じだね」 「音が上がっていくね」 「ここから何か変わったね」
そんな小さな発見から始まります。
そして、私が大切にしているのは、子どもたちが自分で気づくこと。
こちらから答えを教えるのではなく、一緒に楽譜を見ながら、子ども自身が発見できるように働きかけます。
自分で気づいた時の子どもの顔は、明らかに違うもの。
「あっ、そういうことか!」
そんな表情を見ると、楽譜の中にある宝物を、自分の力で見つけたんだなと感じます。
私が「こうやって弾きなさい」と教えれば、子どもはその通りに弾くことができるかもしれません。
でも、それだけでは、私の音楽をなぞることになってしまうかもしれません。
そうではなく、自分で楽譜を読み、気づき、考えてほしいのです。
自分で発見したことは、きっとその子の中に残っていく。
そして、その発見を自分なりに音にしていくことで、その子自身の音楽が生まれてくるのだと思います。















